『サドルシューズという靴-後編-』

ども、火曜日は靴のお話。岸本です。



さて、今夜は前回の前編に引き続き、「サドルシューズ」という歴史ある靴について、詳しくお話していこうかと思います。




前回は特殊なサドルシューズをご紹介したため、あえて触れておりませんでしたが、まずはサドルシューズの歴史をお話したいと思います。






サドルシューズは正式には「サドルオックスフォード(Saddle Oxford)」と呼びます。

その名前からも分かるように、実は起源はイギリスです。19世紀末期に創造され、20世紀初めにはチャーチなどのメーカーから早くも既製品が登場していました。これらが後にアメリカに渡って、コンビタイプの有名なタイプに変わっていったのです。皆さんが良く知っているサドルシューズはどちらかというとこのアメリカタイプのサドルシューズになります。本日ご紹介のサドルシューズもアメリカタイプと言えます。


サドルシューズとは簡単にいうと甲に文字通りサドル(馬の鞍)状に独立した革を上から下までグルッと載せ、そこに鳩目を付けた状態の紐靴のことです。サドルの上辺や下辺それに鳩目周りにブローギングを付けることで、その形状を強調する演出もしばしば見られます。また、「バックステイ」と呼ばれる踵部最後端の縫い目を覆うパーツを、同様に馬の鞍状にしているものも多いですね。

実はこの「独立した革を上から下までグルッと載せる」ことに、サドルシューズの大きな存在意義があります。羽根の下端が閉じており全開はできないので、一見内羽根式のように見えるのですが、甲より前に鳩目の部分が潜り込んではおらずそこが乗っかっている構造は、逆に外羽根式の典型です。つまり内羽根式・外羽根式どちらにも属さない・属せない紐靴なのです。デザインそのものは極めて単純なのですが、この構造上の独自性こそ他の紐靴と使われ方が若干異なってきた原因です。


イギリスからアメリカに伝わった際、その独自性がより強調されていき、ティーンエイジャー向けの学生靴や、ダンスやゴルフそれにボーリング用のスポーツシューズのデザインとして、コンビカラー2色使いの形で第一次大戦前後から急速に広まってゆきました。因みに学生靴としては男性以上に女性に圧倒的な人気を博していたようで、1920年代から50年代のアメリカの女子学生を撮った写真などでよくみかけます。


この歴史上のことから、比較的カジュアル色の強い靴なので、コンビタイプのアメリカ型はおもにデニムやチノパンに合うと言えますね。しかしながら、アメリカントラッドのスーツやジャケットスタイルに合わせて履かれてきた歴史もあるので、完全なカジュアルというよりは紳士の粋な遊び靴といえる靴ですね。


基本的にアメリカ型のものは活動的な場所で履かれた来た歴史があるため、丈夫な作りと濡れた路面などにも強いソールを使うことが多い靴でもあります。

逆に発祥の地イギリスのサドルシューズはコンビではなく一色使いでレザーソールを搭載していて、バリバリのトラッド志向でスーツにも合う靴です。



前篇で話したダッキーブラウンのサドルシューズは、アメリカ型のコンビタイプであり、活動的かつカジュアルな靴のはずが、アニリン系レザーを使用、そしてレザーソールを使うなどどちらかといえばイギリス型に近いのに2色使いという希少な靴なんです。本来は躍動的なアメリカ型にも、質実剛健なイギリス型にもアニリン系の繊細なカラーの革は使用しません。どちらかといえば、フランスやイタリアのラテン系ブランドが使用する革をアメリカ型の靴に使ったということですね。ダッキーブラウン自体がかなり高価なエレガントなアメリカンスーツを得意とするブランドで、コテコテのアメリカではなくどことなくヨーロッパの優美さを兼ね備えたしかしながら、あくまでもアメリカという絶妙な立ち位置のブランドなので、あのサドルシューズは正に!!と呼べる一足ですね。



さてさて、そんな歴史を踏まえて、本日もサドルシューズを一足ご紹介したいと思います。




本日ご紹介の靴はこちら。



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『メイドインイングランド、アメリカ型サドルシューズ』 です。


かなりややこしい名前に困惑すると思いますが、基本的にはハッキリとした2カラーコンビタイプはアメリカ型となります。ただし、イギリス製造をわざわざしているだけあって、ソールの仕様などはイギリス型のレザーソールという折衷されたモデルなので、これも前回のダッキーブラウン同様に中々珍しい靴と言えますね。




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典型的なアメリカ型かと思いきや、レザーソール搭載のイギリス仕様。コバ部分を黒に手塗りするなど、イギリス製造ならではの工夫が入っています。



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かかと部分の黒いパーツが先に話した 『バックステイ』 というパーツです。基本的に靴の強度を高めるためについているパーツで、アウトドア用の靴にも良く見られるパーツですね。サドルシューズではこのパーツの色を羽根の色と合わせるのが伝統です。




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メイドインイングランド刻印のしっかりと入った豚革使用のインナー。比較的大きくなった豚を使用している点も非常にイギリス製造らしいですね。イギリス型、アメリカ型、いずれにしても割と男性的な躍動感あるイメージの靴なので、ラフに履いていただいて良いと思います。今シーズンはダメージデニムをロールアップしてこれ!!!は良いのではないでしょうか。




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アメリカ、イギリス折衷の希少なサドルシューズがなんと未使用で出ました。

この形を持っていない方にはかなりのオススメですので、気になる方はぜひ店頭にてご試着ください。


その際にフィッティングの独自性などもお話したいと思います。








さて、今夜はここまで。

以上、岸本がお送り致しました。
ご清聴ありがとうございました。













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