adidasのベルクロスニーカー

木曜日は靴のお時間、岸本です。
本日はTAUのイメージには、あまりないであろう「スニーカー」のご紹介です。
しかも、超ベタなアディダスで年代物でもないモデルを。
しかし、これがなかなか素敵な一品なんです。
それではさっそくご紹介致します。


このアディダス、ズバリ特徴を言いますと 「ドイツまる出し木型!!」(笑)です。
アディダスがドイツ発祥のブランドであることは周知のことと思います。
が、案外ドイツらしい木型というと「どんなんやっけ?」という方も多いのでは無いでしょうか?
ドイツは医学的に靴を研究した歴史がとても古く、その戦争の歴史などからも
「長時間歩行に適した木型」
の歴史がある国といえます。余談ですがドイツには、足の治療所の上の階に靴屋があり、さらにその上の階に靴の補正の店があり、なんとその場の靴の修理に保険が効くというそんなとんでもない「足にいい靴先進国」ともいえるのです。
ここでさらに余談なんですが、アディダスは実はドイツ軍の靴も製造していた歴史もあり、(アディダスと同じ工場で作成されていたという表現もよく見ますが、実はアディダス社でデザインされたものをドイツ軍がチョイスした説が最有力)歩行に適した幅の広いラスト(木型)を使用していた時期があるのです。
ちなみにこんな靴です↓

(さらにちなみにですが、マルタンマルジェラがドイツ軍のこの形を使ったことでファッション的認知も非常に高いモデルです。)
ドイツの木型の特徴は、「甲高、幅広、親指がまっすぐに入って、蹴上がり運動ができる」ということです。
一番有名なドイツ木型といえば、ビルケンシュトックですが、上の写真を見て分かるとおり、このアディダスは通常のスポーツ用などの細い木型とは違い、非常にドイツ木型らしいドイツ木型で、推測するにウォーキングシューズだと思われます。
アディダス以外でもベルクロの幅広スニーカーはドイツではよく見かけるのですが、やはり長時間ウォーキング時に足のむくみが出た(足は血が溜まるとむくみ、血行がよくなると小さくなり約20%くらい大きさに変化がでます)際に、ベルクロを簡単に調整して、足のむくみに対応できるように設計されたのが始まりです。
とまあ、そんな健康的な靴なんですが、ファッション的に見てもボリュームあるパンツに合わせてもしっかりと男っぽさを保ちつつもどこか可愛げがある…。
独特のリラックスしたムードが余裕のファッションを演出する…。そんな一品ですね。
実際にパリなどのお洒落上級者たちは足元にシャープでカッコいい靴を使うよりは、こういった柔らかみある靴を使って 「引き算のお洒落」を楽しんでいます。
個人的には靴は料理に例えると、コーディネートという料理中で調味料的な役割を持っていると思います。コーディ全体の味を最後に締めたり、柔らかく仕上げたりできる部分だと思いますので、こういった「いまいちかっこ良くは見えない靴」が実は全体バランスを整えてくれてコーディ全体ではカッコいい!!そんな「隠し味」的使い方が可能な一足だと思います。


形が丸みあって可愛げがあったとしても決して「子供っぽい」とは言わせません!!
ホワイトスエードレザーを上手く部分適所に使用し、表革で絶妙なバランスで上品にゴールドをON!!!
とても大人っぽい仕上がりで、モノトーンの服装などにもすんなりと合う。 素晴らしい靴ですね。

親指で蹴る運動と踵からしっかりと着地する歩行のメカニズムにそったソールパターン。黒くなっている部分は摩擦とクッションに優れた素材を使用。指と踵に比重をおいた作りといえますね。
やはりウォーキングシューズでしょうね。これは。
そしてなんといっても、写真をみて分かる通り「未使用状態」であります。(ソール全く減っていません)
靴の仕入れでいったドイツを思い出す一品…。(とにかくヨーロッパのアディダスショップはスニーカーの宝の山なんです。色…。形…。日本では見たこともないようなモデルが多数…。う、う、思い出しただけでヨダレが…。)
サイズさえ合うなら、僕が買いたい…。
マニアックな靴が欲しい方はぜひ。
adidasのベルクロスニーカー
SIZE : 9
PRICE : ¥9450